■阪口涯子の俳句

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●黒の回想 わが俳句遍歴 (20)


               写真 「ローズマリー」 2005.10.10



         黒の回想 わが俳句遍歴 (20)

                                           つゆの霽れ間


 1980・5・25(日曜)ーあらしの日


    あなたなる夜雨の葛のあなたかな     不器男


 彼は「天の川」にも「ホトトギス」にも投句していたが、この句は「ホトトギス」で虚子が推賞して、はじ

めて芝不器男的に有名になった、そんな作品であったと記憶する。

 
この句をよく読めなかった、素十や秋桜子たちに対して「夜雨の葛」はたとえば箱根あたりの山でもよ

ろしい、はるかなる距離の中間にそれはあるのだと諄々と説明していた虚子の慧眼にぼくも眼のうろこが

剥がれる思いをした。

 
 不器男は歿後四年、昭和九年、に横山白虹の手で天の川遠賀支社から出版されている。全句数百七十五

句、前掲の句、句集には前書きがある。

      二十五日仙台につく、みちはるかなる

      伊予の我が家をおもへば

 と。「ホトトギス」ではこんなながい前書きは無かったように記憶するし、また僕の記憶ちがいに相違

ないけれど、ぼくの頭の中には、今まで、


      
         あなたなる夜雨の葛のあなたなる     

と残っていた。

                白浪を一度かゝげぬ海霞

                白藤の揺りやみしかばうすみどり

                鴉はや唖々とゐるなり菌狩

                栗山の空谷ふかきところかな

                秋の日をとづる碧玉数しらず
          
ぼくは「天の川」が無季俳句、新興俳句突入前の、よき時代として不器男を選んだ。これらの句、ど

こか憂暗の影があり又象徴の香りがある。

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  1. 2006/02/10(金) 08:13:05|
  2. ■ 『黒の回想・わが俳句遍歴』 阪口涯子
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