■阪口涯子の俳句

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●黒の回想 わが俳句遍歴 (21)


写真 「タンポポの種」 2006.1.10


         黒の回想 わが俳句遍歴 (21)

 6・7(土)--つゆの霽れ間

 さきの芝不器男にも、ここで書く神崎縷々にも、つぎに書く篠原鳳作にも実は僕は会ったことがない。

僕が七年か八年位俳句を止めてた時代にこの人たちは出現してそして若くして死歿してしまった。

不器男が昭和五年二十八歳で、縷々が昭和十一年三十七歳で鳳作も昭和十一年三十歳で逝去している。

 
この中、不器男句集と縷々句集は横山白虹の手で遺句集の形で出版されている。不器男句集には百七十

五句、縷々句集に至っては唯の七十数句、共に禅寺洞選にはなっているが句数は少ない。

鹿児島の形象社の前原東作らの手による、『篠原鳳作句文集』の句数は四百七十七句。最近出た前田秀

子(鳳作夫人)、川名大、坪内稔典編、沖積舎版の全句文集の句数はもっと多いであろうが。とにかく不

器男句集も縷々句集もその数は少い。

    縷々はさっきの


           血に痴れてヤコブの如く闘へり

の一句で俳史に残っているといっても過言ではあるまい。それも馬酔木の

           喀血の蚊帳波打つてはずされぬ

との対比、優劣論争即ち有季無季論争によってである。横山白虹編による縷々句集は昭和五年の、

           茱萸の花にぼろをほしたり草の宿

に始まり、昭和九年の、
 
           大いなる静けさにあり秋を病みて

で終わってる縷々句集がその全部であるけれど、新興俳句運動の基礎ともなった無季俳句の、その走りが

このヤコブの作品ではなかったのか。縷々句集を読んでみて驚いたことは、七十数句の中 、 このヤコ

ブだけが無季であとは全部有季俳句であったことだ。何れも昭和九年の作品であるが、

           血をはけばかむさぶるらむ冬空の

           冬空の神にこいつま嘆こうも

           血に痴れてヤコブの如く闘へり

           凍てつきし血潮をかわく神のにへ

と、それは続いている。

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  1. 2006/02/12(日) 08:17:02|
  2. ■ 『黒の回想・わが俳句遍歴』 阪口涯子
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