■阪口涯子の俳句

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●黒の回想 わが俳句遍歴 (90)


写真 竹煮草  2006・6・28  AM5時半・Y川岸にて



           

黒の回想 わが俳句遍歴 (90)・・・・・・・阪口涯子

      
1981・1・17(土)  雪時 つづき

戦後の「長い口語俳句」のことを書かねばならぬが、その前に一寸と一休みしたくなった。

      アロン ⑧

 深夜、遠くイーストエンドの寺児溝にざわめきが起る。銃声が聞える。
これがだんだん日出町、桂町に近づき、私の居る南山麓に近づく。

日本人の群集が慌てふためいて叫んで居る。
私の知人の声もその中に交って、もう跫音がきこえる。いけない。

日頃おそれていた寺児溝の苦力達の暴動らしい。
しきりに銃声がする。家を出るべきか・・・・・。

・・・・・だが何ということなしに一時間も経つとやがてもとの夜陰の静けさにかえる。
あわれな日本人達よ。
東端苦力街に起こった些細な物音に「すわ襲撃」とその隣の日本人街が騒ぎ出す。
この物音を又苦力の襲撃だと誤認してその隣街が騒ぐ・・・・・

一犬虚に吠えての諺通りである。
ソ連兵はそれを鎮めようとして空にむけしきりに空砲を放つ。

それに尚怖えて東大連一帯が一夜避難のために騒いでいるというナンセンスも起ります。
ナンセンスとは醒めてあとの批判に過ぎない。

ナンセンスの現実は良識(ボンサン)とみわけのつかぬ顔をしてやって来る。
それは永年の家庭をもち、婦女子と共にある男たち故の、

風にもおどろくあわれさであった。
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  1. 2006/07/04(火) 07:48:59|
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