■阪口涯子の俳句

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

●黒の回想 わが俳句遍歴 (91)


      写真  蘇鉄新芽 2006・7・2  畑にて



           

黒の回想 わが俳句遍歴 (91)・・・阪口涯子

      
1981・1・17(土)  雪時 つづき

戦後の「長い口語俳句」のことを書かねばならぬが、その前に一寸と一休みしたくなった。

      アロン ⑨

 深夜、見知らぬ白系と二人のソ連将校が酒気を帯びて闖入する。
妻子を屋根裏に隠して診察室に私は白衣のまゝ突っ立つ。

「何か御用で?」

「あゝここ病院(ポリニッツア)か、悪いことしないから心配しないでいいよ。サルバルサンあるか」

サルバルサンで済めばたやすいことです。
それを四五本与える。

未だ諦めきれぬ表情で歩き廻っていたが、二階を覗こうとはしない。
靴音高く彼らはたち去る。助かった・・・・・私はホッとする。

 翌朝起きてみると隣組全部が荒されている。

先隣外套など分奪り、その先の角屋敷では地下室かに三階の屋根裏まで足の踏み場もなく
引っくり返されている。

ストックの服地や貨幣などの獲物に狂喜した彼らは、そこで捜したウィスキーで再び気勢をあげて
次は路地裏を荒しまわり、夜明けがたに遂に私の友人の扉を叩き破れず、

深く酔いを発したのか翌朝友人が玄関の扉をあけると将校がウィスキー瓶を抱えたまゝ
大の字形にそこに寝ている。

「アッ」と驚いて友人は再び扉を閉す。

私の先隣りからの戦利品の外套がひらりひらり朝風に揺れてポプラ並樹に懸っている。
不謹慎だが私は噴き出してしまいます。
スポンサーサイト
  1. 2006/07/06(木) 07:35:05|
  2. ■ 『黒の回想・わが俳句遍歴』 阪口涯子
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<■いっぽんの煙草を漢民族に貰う■涯子 | ホーム | ■十三夜地衣の世界も濡れいるか■涯子>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://k575.blog.fc2.com/tb.php/213-853e2c50
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。