■阪口涯子の俳句

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●黒の回想 わが俳句遍歴 (94)


写真  イタドリ  2006・7・8  S川岸にて
 


           

黒の回想 わが俳句遍歴 (94)・・・・・・・阪口涯子

      
1981・1・17(土)  雪時 つづき

戦後の「長い口語俳句」のことを書かねばならぬが、その前に一寸と一休みしたくなった。

      アロン ⑫

階下の将校に目礼して、銃剣の二人のソ連兵に連れられて私は本館の二階に上ります。

「この人をみて下さい」

顔のハンカチを無造作に払いのけた私は、「アッ」と叫びました。
日本人!それも隣家に居た林憲兵隊長ではありませんか。

シャツ一枚で毛布にくるまっていた大佐もハッと青ざめた表情です。

肥馬に跨って悠々と出勤していた大兵倣岸な林さん。
日頃余り口をきかなかったその人でした。

私は心を落付けて聴診器をあてる。別に大した症状はない。

「いいえ何あに、眠れないのですよ。心臓が痛んで・・・・・」

心臓が痛むのは私にはよく解かります。私の心臓も少し痛みます。

痩身の人が隣の畳に矢張り寝そべっています。

みるとそれは竹中特務機関長ではありませんか。

二人は矢継早に尋ねます。

「暴動は起きていませんか」

「日本人は困ってるでしょうネ」

「食糧は?」

私は答える。

「・・・だけど日本人生命は大丈夫らしいですよ・・・何がお困りですか」

「ちり紙をお願いしたいのです・・・それから出来ましたら新聞を」

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  1. 2006/07/12(水) 07:37:44|
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