■阪口涯子の俳句

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■男のように台風圏の樹は倒れよ■涯子


写真  2006・9・19  足柄平野から箱根外輪山を望む

   『 北風列車 』 82 終 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (82) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載いたしました。これが最後のページです。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
       ● 自画像  つづき         昭和24年               
               

329     野をこえてひとり子が行ったターザン映画    


330     しののあめ青からかさをジープにみられ


331     身をななめにびしょぬれているニヒル像    


332     男のように台風圏の樹は倒れよ




              完



  ●みなさま、ながながとご拝読いただき有難うございました。
    これで、阪口涯子の俳句紹介は全て終りました。

   いや~俳句っていいもんですね~     nora
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  1. 2006/09/22(金) 06:52:52|
  2. ■ 『北風列車』 阪口涯子第一句集
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■カストリ飲んで野菜の花を抱擁した■涯子


写真   コスモス   2006・9・20  散歩コースにて

   『 北風列車 』 81 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (81) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和24年               
               

325     カストリ飲んで野菜の花を抱擁した   


326     野菜の花抱きしめていた異邦人


327     カランカランとなる晩鐘は遠くの国   


328     芋飴なめて妖精譚(フェアリーテール)わすれた少女


  ●nora註: カストリとは、第二次世界大戦後の日本で出回った次のもの。
        清酒の酒粕を水で溶き蒸留した低品質の焼酎、カストリ焼酎のこと。
        (ネットで検索しました)
  1. 2006/09/21(木) 07:38:27|
  2. ■ 『北風列車』 阪口涯子第一句集
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■きみの皓歯かと大群とひかりあう ■涯子



写真  白彼岸花  2006・9・19  小田原市にて

   『 北風列車 』 80 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (80) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和24年               
               

322     きみの皓歯かと大群とひかりあう    


323     白い兵舎ぬけ出て君もかとのような


324     絹くつしたのかとという言葉口に出さぬ    


   nora 註:かと=蝌蚪(おたまじゃくし)です。
9月20日は17年前亡くなった阪口涯子の命日です。「涯子忌」・・・
晩年どこかの高校の校歌を頼まれていたとか。
どこの高校なのでしょうか?きっと地元の九州だと思いますが・・・
身近だった方に連絡して、捜してみたいと思います。 nora
  1. 2006/09/20(水) 08:30:51|
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■乾藷(かんころ)が雲のかけらを並べている■涯子


写真  イヌキクイモ  2006・9・12  酒匂川にて

   『 北風列車 』 79 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (79) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和24年               
               

319     乾藷(かんころ)が雲のかけらを並べている    


320     鶏頭が茎まで燃えて貧しい谷間


321     きみの唇漆黒の蝌蚪に花ひらく    




  1. 2006/09/19(火) 08:10:41|
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■僕の外套ひとつなびいてゆがんだ野原■涯子


写真  酔芙蓉   2006・9・8  南足柄市にて

   『 北風列車 』 78 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (78) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和24年               
               

316     僕の外套ひとつなびいてゆがんだ野原    


317     ひざまずき坑夫の脚の傷巻きいる


318     かんころが光る虚空の虚空の吐息    



  1. 2006/09/18(月) 09:06:49|
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■運命は雪片をはき降らす嘴■涯子


写真  千日紅   2006・9・5  近所にて

   『 北風列車 』 77 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (77) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和24年               
               

313     ふる雪のしずかにかける死の曲馬    


314     運命は雪片をはき降らす嘴


315     燃えろかんてき妻とはこんな荒れた指か    



  1. 2006/09/17(日) 07:32:58|
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■安住というのは言葉遠く海峡■涯子



写真  葛  2006・9・8  南足柄市にて

   『 北風列車 』 76 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (76) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和24年               
               

309     広場とはかなしく海胆をたたえた海    


310     ちんもくのむらさきうにの怒りの花束


311     広場とは海の砂粒のかなしいワルツ    


312     安住というのは言葉遠く海峡

  1. 2006/09/16(土) 08:48:48|
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■誰もいないこれはいちまいのひかる泥濘■涯子


写真   イチモンジセセリ&イエローエンジェル  2006・9・3   庭にて

   『 北風列車 』 75 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (75) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和24年               
               

305     夕陽したたるサイコロを振り草の家    


306     美しい寝台のある街のはるけさ


307     ひとつのくろかみぼくの引揚げ断層に    


308     誰もいないこれはいちまいのひかる泥濘

  1. 2006/09/15(金) 07:13:42|
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黒の回想 わが俳句遍歴 (125)ーおわり


写真   ジンジャー   2006・9・8  南足柄にて
 
   この回で黒の回想の転載が終わりました。長い間、ご拝読いただきありがとうございました。
 涯子さんが亡くなってはや17年、9月20日の命日が真近です。 nora
 
           

黒の回想 わが俳句遍歴(125)最終回・・・阪口涯子

         あとがき

 「航海日誌」を書いてすでに十八年を過ぎている。
アフリカその他の現状は今は随分その当時とは変っていると思うが、

これは一俳句作りが書いた謂わば筆のすさび。

一俳句作りの書いた散文。

散文を書かない俳句作りなんて・・・と思う僕の僭越をゆるして頂きたい。

 セイロンは当時すでにスリランカになっていたが敢えてセイロンの名をとどめた。
オーマン湾は今はオマーン湾と呼ぶようだが、


船員はすべて当時オーマン湾と呼んでいたのでそのままにしておいた。
ジャカランダの紫の花はオーストラリア、ハワイ辺りにも咲くらしいが、

最近テレビで見たオーストラリアのその花は紫が少し薄いように思ったのだが、
沖縄あたりに移植できないかなァと思う位きれいだった。


「黒の回想」は後半は省略した。
韻文と自由詩と散文の接点に就いて書いた積りのその後半は

論議未熟なので自分乍ら嫌気がさしてしまって省略することにした。

 「海程」「鋭角」に連載させて頂いた「航海日誌」を
まとめておいて頂いた矢住涼、八木原祐計の両氏、

それに原稿整理、出版に関するすべてのお世話を頂いた高塚かず子さん、
葦書房の久本三多氏に心からの謝意を表します。

            1989         阪口涯子

          あとがき追記

   著者阪口涯子氏は千九百八十九年九月二十日に逝くなったが、
   「航海日誌」と「黒の回想」は既に校正刷が出来上がっていて、
   彼自身の朱が入れられたまま枕頭に残された。

   御遺族山口慶太郎・美奈子(涯子長女)夫妻は、
   故人の志をつぐべく奔走され、葦書房の諒解を得て、
   地元佐世保市の隆文社に印刷を依頼、
   著者が生前に縁のあった海程新社に発行所を
   お引受けいただくことが出来て、
   出版が実現した。
 
   「海程」「鋭角」に連載のときから、大変好評だった
   この二つのエッセイが、
   このようにして再び世に出て、
   多くの人々に読んでいただけることは、
   涯子氏の近くにあった者として有難いことである。


         千九百九十年七月十日         
                                 
                          八木原祐計
  著者略歴

     阪口涯子(さかぐち・がいし)
     本名・阪口秀二郎。
1901年11月11日
長崎県佐世保市生れ。
九大医学部卒、医師。
     「俳句基地」「鋭角」を主宰し、廃刊後「穹」顧問。
「海程」同人。
  句集「北風列車」
   「坂口涯子句集ー戦後俳句作家シリーズ(海程新社)」
      「雲づくり」。
1989年9月20日没。
  1. 2006/09/14(木) 08:06:02|
  2. ■ 『黒の回想・わが俳句遍歴』 阪口涯子
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■北風列車その乗客の烏とぼく■涯子


写真   イチモンジセセリ  2006・9・8  近所の友人の田んぼにて

   『 北風列車 』 74 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (74) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和24年               
               

302     にんげんの裸体降らせたのは北風    


303     北風列車その乗客の烏とぼく


304     頸のまわりに流れうずまくアオアオアオ    



  1. 2006/09/13(水) 07:53:55|
  2. ■ 『北風列車』 阪口涯子第一句集
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●黒の回想 わが俳句遍歴 (124)


 写真   秋海棠  2006.9.8  庭にて



           

黒の回想 わが俳句遍歴 (124)・・・阪口涯子


 【 鞭とエール 】
     
9・13(日)  気温23  つづき


           横村庄一郎
 
          監房の記(1933・9) (2)

       おれが選んだ この特高にどつかれるさだめ

       おめえアカかと問われ「ウン」と監房新入り

       留置場の板の間に寝て オレが心臓か心臓がオレか

       牢名主というほどでないのが「オマエタバコノムカ」

       チビタバコ吸って 動悸が おさまる オサマル

             (これは昨年度の「あまのがわ」から。)


 この辺りで、ひどく荒っぽいけれど口語俳句の鳥瞰引例を一応やめよう。
掲載の句の批評はさしひかえる。
口語俳句は次第に短くなってゆく。
さっき口語俳句への愛と憎しみとか変なことを云ったが、
ぼくの真意はそんな対句にはない。
暖かい眼をして鞭をエールをお互いに交換してゆかねばということです。

 (補) この回想を書くのに「天の川」関係の文献を貸して頂いた
北垣一柿(故人)、片山花御史に深く感謝します。

                    完
     
  1. 2006/09/12(火) 07:55:21|
  2. ■ 『黒の回想・わが俳句遍歴』 阪口涯子
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■ウルトラマリンの皿みがきいる百舌鳥に鳴かれ■涯子


写真    朝顔&芋虫    2006・8・29  N歯科へ行く途中GET!

   『 北風列車 』 73 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (73) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和23年               
               

299     かなかなかなかな植物的な夕餉に坐る   


300     月光を青柿落ちるひびきにねむる


301     ウルトラマリンの皿みがきいる百舌鳥に鳴かれ    



  1. 2006/09/11(月) 07:59:14|
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●黒の回想 わが俳句遍歴 (123)


写真  ガガイモの花 2006.8.31   酒匂川にて



           

黒の回想 わが俳句遍歴 (123)・・・阪口涯子


 【 鞭とエール 】
     
9・13(日)  気温23  つづき


           谷村 茂

       山のふかさへ来ておそ鶯とばかり会う

       あれこれ非日常的なかぎ裂きつくり

       あやつもこやつもチリ紙と交換の梅雨だ

     

           佐々木輝男

       軽い稲の花水面に流しかすかな愛

        

           神原啓三

       俺が酸っぱくなるまで待て 烏

          (以下は、昨年本年刊行の「主流」から抜いた。) 
     
 
        
     
  1. 2006/09/10(日) 08:45:59|
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■近景は黒蝶震う白い山河■涯子



 写真   唐綿風船  2006・9・2   散歩コースにて

   『 北風列車 』 72 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (72) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和23年               
               

296     近景は黒蝶震う白い山河    


297     硬山が風にささやき海遍満の西の涯です


298     竹林ふかくこの行水のなげきに似る


  1. 2006/09/09(土) 07:31:51|
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●黒の回想 わが俳句遍歴 (122)


写真  洋種山牛蒡 2006・9・2   近所にて



   

黒の回想 わが俳句遍歴 (122)・・・阪口涯子


 【 鞭とエール 】
     
9・13(日)  気温23  つづき

 これらの文献が年代別に少し古いということであれば、
昨年本年度の俳句を少し書いてみる。

           山下裕康

       海底のきなくささを引きずってきた蟹だ

       そろそろ戦争さしてくれやと鉄がなる河口

       銃がひとまわり ひとまわり膨れる基地

  
(1981年度口語俳句協会賞作品「冷房の椅子」二十句中はじめの三句)
     


           江崎美実

       炉の中がよく見え春の落暉を戻る

       祭囃は遠くから台所はいつも暗かった

       うつくしいさむさの 大きな鉄が横切る

         
     
 
           加藤太郎

         スリランカにて

       友の妻の異国のものの輪郭です

       象も見た象のにおいのありふれた街よ

       光あかるすぎて子供肋のそこまで見え

 
          
     
  1. 2006/09/08(金) 07:30:53|
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■踊る影々海の青さにさいなまれ■涯子


写真   蕎麦の花  2006・9・3   庭にて

   『 北風列車 』 71 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (71) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 自画像 つづき    昭和23年               
               

293     踊る影々海の青さにさいなまれ    


294     絶海に錆びた鉄板組み立てて


295     遠景は天につらなり血しぶく熱河    


  1. 2006/09/07(木) 07:41:14|
  2. ■ 『北風列車』 阪口涯子第一句集
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●黒の回想 わが俳句遍歴 (121)


  写真   秋明菊  2006・9・2  散歩コースにて
 



           

黒の回想 わが俳句遍歴 (121)・・・阪口涯子


 【 鞭とエール 】
     
9・13(日)  気温23  つづき

           永海兼人

       芝桜という花に迎えられ 仙境に入る

       どの庭も石楠咲かせ 無人のしずもり

       山腹の一日くらし 犯罪都市を見あろし

     (昭和47年刊、句集『夜明け』から。「あまのがわ」主宰)
     


           田中 陽

       ○をかく日をあけておく△を描きながら

       非生産文学の仕事雨が甘くくちびるに

       子の寝ごとなど捨てきれず俺 北へ発つ

     (昭和48年刊、句集『傷』の終りの三句。「主流」発行)
     

 
           勝屋ひろを

         禅寺洞忌

       ひとすじに生きる スイートピーは天の涙

       一本のスイートピー よみの国へ振り向かせる

       きらめく句を生む スイートピーと空との話

     (1978年刊、句集『山の音』より。「あまのがわ」長老)
     

  1. 2006/09/06(水) 07:44:40|
  2. ■ 『黒の回想・わが俳句遍歴』 阪口涯子
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■蓬髪紳士反吐にコロナを捜したが■涯子


写真   タカサゴユリ   2006・8・31  散歩コースにて

   『 北風列車 』 70 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (70) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
          ● 自画像         昭和23年               
               
290     蓬髪紳士反吐にコロナを捜したが


291     風車いずこに蓬髪紳士日々驢馬に


292     やみ塩やきのこわれた窓に海吠えいる    



  1. 2006/09/05(火) 07:56:11|
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● 黒の回想 わが俳句遍歴 (120)


   写真  タカサゴユリ(帰化種)  2006.8.31  散歩コース空き地にて

 



           

黒の回想 わが俳句遍歴 (120)・・・阪口涯子


 【 鞭とエール 】
     
9・13(日)  気温23 
 
 少し前の台風で道側ののうぜんは全部散ってしまったが、庭のさるすべりには
まだ終りの近い花房が残り、
 
その近くで曼珠沙華がうすみどりの筆をたてて筆の先端に
少しばかりの朱をのぞかせている。
 
空にはうろこ雲と積乱雲の共棲。
実は昨月から、「鋭角」同人の高塚かず子さんに来てもらって

書きっ放しの原稿を整理清書してもらったのだが
少し枚数が足りない。

ぼくの手許にある口語俳句の句集や雑誌を
アトランダムに近い乱暴なやり方だが少し書きとめてみる。

           市川一男

     かけす狂乱の情事を見てしまった

     ビヤガーデンの夜風に冷えて遺書書きのこすことにする

     残りすくない命なのでよろず好き嫌いでいくことにする

  (昭和42年刊、『市川一男句集』の終りの方の作品です。「口語俳句」主宰)


          内田南草

     あのことどこまでも実話 月光菩薩

     薄氷たがいに罪をかくしあう

     十二月八日野の果に煙があがる

  (昭和55年刊、句集『たてがみ』の終わりの方の作品です。「感動律」主宰)


●nora註・上の文中の高塚かず子さんは佐世保の詩人で、以前、H賞を受賞しています。
  1. 2006/09/04(月) 07:32:07|
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■ねむれ子よ青芥子の頭に汗ふいて■涯子


   写真   空蝉(うつせみ・夏の季語)   2006・8・31   酒匂川にて

   『 北風列車 』 69 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (69) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
     ● 追憶の町 つづき   昭和23年               
               

285     ねむれ子よ青芥子の頭に汗ふいて


286     ねむれ子よようべの花ふいて来る風に


287     ねむれ子よ蜻蛉のはねの虹なす辺に   


288     ねむれ子よ鎖ひきずるは父の足母のあし


289     ねむれ子よ泥濘をゆくかげをみず父をみず

  1. 2006/09/03(日) 08:00:49|
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●黒の回想 わが俳句遍歴 (119)



  写真  銀葉ひまわり  2006.8.31 散歩コースにて




           

黒の回想 わが俳句遍歴 (119)・・・阪口涯子


 【 鞭とエール 】
     
1981・9・3(水) (つづき) 台風済洲島辺に停滞。曇天気温29、烈風。 うさぎ小屋にて。 

 も一つ、前近代的ではない、数少い本当の現在俳句作家のみんなが
おそらく気にしながら逃げ廻ってるであろう重大な問題。

韻文と散文の接点の問題。

今少しさばめて言えば俳句散文傾向の問題。

それを抜きにしては、これからの俳句は語れないであろう。

僕は勿論専門の学など全くない。


一俳句作りに過ぎないし、提起される問題はそれこそ地球の重さに
匹敵する位に重たいし、このことを言えば金子兜太も堀葦男も、

「海程」ではそれは困るんだ、
家木松郎と阪口涯子は別格らからゆるすとしても、

他の海程人がリズムをこわす、

或いは散文化するのは困るのだと笑いながらそれを拒否するにちがいない。

それでは「海程」の志向しているのは五七五の韻文俳句なのだと
はっきり云いきれるわけでもないようにも思われるし・・・。


ながいながい、恥部まるざらしの僕の口語俳句を経て、
或いは、文語口語混交の卑怯なる妥協をつづけて生きながらえて来た、

今は<衰弱している涯子>の今までの経歴を
零よりはちょっぴり大きくするためにも、ここに俳句に於ける

韻文の接点のことを書き残さねば「黒の回想」など書かないほうがよかった
ということにもなるという<逸脱した涯子>。
  1. 2006/09/02(土) 07:30:12|
  2. ■ 『黒の回想・わが俳句遍歴』 阪口涯子
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■木馬少女らリラにひらひらめぐったが■涯子



 写真   ヤブマオ   2006・8・27  散歩コースにて

   『 北風列車 』 68 



 阪口涯子の第一句集『北風列車』を転載しています。昭和13年、涯子36歳からの10年間の
 俳句作品です。若き医師、涯子30歳からの満州時代は、このようにして書き残されています。

               *ーーーーーーーーーーーーーーー*


      『 北風列車 』   阪口涯子作品集 (68) 全作品332句 にNOをつけて順に掲載しています。
   Ⅱ 硬山のほとり              
                                       
          ● 追憶の町         昭和23年               
               
281     黄沙のバックにリラの芽が群れかがやいていた


282     リラたわわな日エストニヤ老人と語ったが


283     婚姻楽かなしくリラにひびいていた    


284     木馬少女らリラにひらひらめぐったが


  1. 2006/09/01(金) 07:50:29|
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